top of page

国立屋内総合競技場
(現:国立代々木競技場)

よよ4.jpg

 所在地:〒150-0041 東京都渋谷区神南2-1-1

アクセス:JR山手線「原宿」駅から徒歩3分

1964大会:水泳競技(第一体育館)、バスケットボール(第二体育館)

2020大会:ハンドボール、車いすラグビー、バドミントン(パラリンピック競技)※どの競技も第一体育館で実施

 国立屋内総合競技場は現在、国立代々木競技場と呼ばれており、64年大会の水泳とバスケットボールの競技会場として占領アメリカ軍施設・ワシントンハイツ跡地に建てられました。返還交渉が難航したことで着工が1963年2月と遅れて、オリンピック開催の39日前(1964年8月31日)にようやく完成しました。当時、この工事を18か月で完成させることは不可能と言われていたそうです。設計者は丹下健三氏。彼が設計を手掛けた主な建物には”東京モード学園”や”東京都庁”、”広島平和記念公園”などがあり、どの建物も外見に特徴があります。国立屋内総合競技場は、日本建築学会賞を受賞するほど建築物として優れた設計でした。他にも、日本建設業連合会より建築技術を評価するBCS賞を受賞しました。

 

 現在は、独立行政法人日本スポーツ振興センターが国立代々木競技場の管理運営を行っており、スポーツやコンサートなど様々なイベントで使われています。1964年大会の水泳競技は、現在の国立代々木競技場第一体育館に設けられていた代々木オリンピックプールで行われました。第一体育館はもともと水泳競技用施設として作られましたが、大会後、夏は室内プール、冬はアイススケート場として利用され、プールの上に床を張って体育館としても使用されました。しかし、1993年に国際規格を持つ東京辰巳国際水泳場が完成したことで競泳施設として使われなくなり、プールは1998年に廃止されました。2002年には残っていた飛び込み台が撤去され、アイススケート場の一般公開も2005年をもって終了しました。

よよ1_edited.jpg

 原宿門から撮影した国立代々木競技場第一体育館

 国立代々木競技場第二体育館は、64年大会のバスケットボール競技会場として使用されました。その後、第二体育館は国内で開催される主要なバスケットボール大会(全日本学生バスケットボール選手権大会、全日本総合バスケットボール選手権大会、バスケットボール日本リーグなど)で利用されており、”バスケットボールの聖地”として知られています。

 第一体育館の西側、第二体育館の北側にオリンピックプラザというスポーツ施設がありました。そこはさらにプラザAとプラザBに分けられており、64年大会時、プラザBはバスケットボール選手のためのウォーミングアップ場として利用され、翌年プラザAには子供専用プールが公開されました。現在、この2つのプラザが置かれていた場所には新たにフットサルコートが設置されています。

 国立代々木競技場内には第一体育館、第二体育館の他にも、室内水泳場、フットサルコートなどがあるため、その周りを歩くと、想像している以上の時間がかかり競技場の広さを実感できるでしょう。

よよ2_edited.jpg
よよ3_edited.jpg

 国立代々木競技場第二体育館 外観     国立代々木競技場 全体図

 国立代々木競技場はJR原宿駅から近く行きやすいですが、歩道橋を渡る必要があるため、高齢者や障害者は不便に感じるかもしれません。2020年大会でもハンドボール、車いすラグビー、バドミントン(パラリンピック競技)の試合会場として使用されましたが、競技場周辺のバリアフリー化は進んでいないように思えます。車いす使用者はJR原宿駅から行く場合、駅前の五輪橋を渡った先にある歩道橋から約500m進んだ代々木公園手前の信号を渡らなければなりません。

 その歩道橋からは第一体育館全体を見渡すことができます。外観はダイナミックで美しく、屋根の緩やかな曲線が印象的です。ユニークで芸術的なそのシルエットは、かなりインパクトがあり見た人の記憶に残るものでしょう。

bottom of page